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今日のぼやき2002年3月









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やってしまった。なんと1ヶ月半に渡ってのぼやき更新なし。
周囲の方々にも「最近ぼやき更新ないねぇ」とか「ついに2月はぼやき更新されなかったねぇ」とか、明らかに僕のHPに来てもこの「今日のぼやき」しかみていない方々から有り難いご指摘をうけてきた。
自分でもなんとかせにゃならんと思いながらもダラダラと月日は流れるばかりで、結局何もせずじまいに終わってしまったのだ。
とはいってもこのぼやきだけは、ぼやきにかけるような事件が起きなければどうにもならんのであって、それを無理矢理ぼやきを書いたところでクオリティが落ちるだけで(元々それほど高いクオリティではないが)、それであれば濃縮度の高い絞りたてで旬の話題を皆様に提供することにより・・・・・・・・。
最近話題になっている議員さんの答弁にも勝るとも劣らない言い訳はこの辺にして本文へ入ります。

先日、ジブリ美術館で撮影したデジカメで取った写真を格納したCD−Rのラベル作りに精を出していた。
こういった作業にはいるとどうしても没頭してしまい、時間を忘れそれにのめり込んでしまうタイプなので夕御飯も忘れてああでもないこうでもないと試行錯誤していた。
ふと気づくと夜も9時を回ろうとしていた。
こりゃイカン!ということで(僕の夕御飯御用達の即席ラーメンが売っているお店が午後9時閉店)即座に家を出て階下のお店へ駆け込む。
そこで当座の即席ラーメンを買い込み、部屋に戻る前に集合ポストをのぞき込むとそこには何枚かのチラシが入っていた。
それらを取り出し、エレベーターに乗り込み、何気なくチラシ一枚一枚に目を通す。
この行動にはハッキリ言ってなんの意味もない。集合ポストから部屋までの何もすることもない時間帯を消化するためのある種儀式のようなモノである。

その日も例外に漏れず何気なくチラシを眺めているとそこには一枚のファーストフードのお届けサービスのチラシが入っていた。

やられた。そりゃぁもうやられた。この気持をどう表現すれば良いのかわからないが、そこに写っている魅惑の食物に完全にノックダウンだ。それもテンカウントでのノックアウト負けではない。良い右ストレートをもらって倒れ込んだ瞬間審判が試合を止めてしまうほどのノックアウトだ。
その時の腹の減り具合、自分が食べたいなと思っていたもの、めんどくさがりの僕にはもってこいのデリバリーサービス、全てが合致した状態。全ての条件がそこには詰め込まれていた。
こうなればもう歯止めは利きません。
僕の右手に下げられた袋の中にはすまなそうな顔をして即席ラーメン達が僕を見つめる。しかし申し訳ないが5分前まで持っていた彼らの魅力は完全に色あせていた。
ついさっきまでたかだか即席ラーメンに腕組みまでして思い悩み指さし確認までして選んでいたのに、今となってはどうでもいい存在に成り下がっていた。そこには人生の縮図でもみているかのような感覚さえも憶えたが、何よりも即席ラーメンたちは後日でもその味を落とすことなく食べられるのである。買ってはしまったがかれらの魅力は長い間変わることがないのだ。
だから僕は決断した。

部屋に戻り靴を脱ぐと電話機へと歩み寄り、チラシに記載されている番号へ電話をかける。
すると一人の若者が明るい声で電話に出る「ありがとうございます。○○○○お届けサービスセンター××です。」
「配達お願いします」と僕。
「それではお電話番号をお願いします」と彼
僕が電話番号をいうと
「初めてのお客様ですね?それではご住所の方をお願いします」と彼がいうので僕は自分の住所をかれに告げる。
次の瞬間彼が放った言葉に先ほどのノックアウトとは比にならないほどの衝撃を受けることになる。


彼は言った
「申し訳ありませんが、そちらの地域は当店では配達区域となります」

誰がこんな事態を予測できよう。
ボクシングの試合で、コーナーポストに向かって集中していてゴングが鳴るのを今か今かと待っている。そして運命のゴングが鳴り響き、バッと振り向いたら、
対戦相手が刀を振り上げ猛ダッシュしてこちらに斬りつけてきているようなもんだ。
パニックに陥る。沈黙が流れる。その沈黙の間僕は頭をめぐらせる。
僕の家のポスト、中に入ってた、このチラシ。お届けサービスのチラシ。おいしいおいしい食べ物のチラシ。入ってた。僕の家のポストに。だから電話、そのお店に電話、してみた。でも配達出来ない。食べられない・・・

精神年齢がどんどん退行していきます。現実逃避です。

その場は呆気にとられるままに電話を切った。
しかし、よくよく考えるとだんだん怒りがこみ上げてきた。

それでは何故に我が家のポストにチラシを入れるのだ!
この気持の高ぶりはどうすれば!?遠足が雨で中止になった心境さ!
一番惨めになるのが「あれもイイナ。これもイイナ♪」とウキウキでメニューを選んでいた時の事を思い出すことだ。ピエロである。食べることもできないモノに懸命になって選んでいるのだ。
もし仮にその部屋に隠しカメラでも設置されていようモノなら最大の恥辱さ!全てが無駄な行為だったというわけか!そういうカラクリか!
その録画ビデオを何処かで観て失笑している奴がいるんだろう!?しかも「配達区域外です」と言われたときの所を何度も巻き戻して観て、その表情を楽しんでいるんだろう!?腹抱えて笑ってるんだろう!?声にならない笑い声でさ!!??
キィーーーーークヤシイ!!

とまぁ有りもしない被害妄想も抱いてしまいます。
数分間思い悩んだあげく、先ほど素っ気ない態度をとってしまった即席ラーメンたちに謝りつつも、お湯を沸かして、それを即席ラーメンに流し込み3分待っておいしく頂きました。
けど、けれどもその時の僕の背中は一回り小さかったはずです。