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今日のぼやき2001年12月









12/25
世間様はクリスマス。街にはクリスマスのイルミネーションが彩りを添え、リズミカルな音楽が街中に鳴り響き、何処から湧いてくるのだろうと疑問を抱いてしまうほどの無数のサンタさん、女性はいつもより少しばかりオシャレになり、男性はいつもより少しばかりキザになる事を許される特別な日。
それがクリスマス。

さてそんなクリスマスとも無縁な男のちょっぴり悲しい物語を今日は紹介しよう。
時は12月23日。3連休のちょうどど真ん中にして、クリスマスイブの前夜。その男はお台場へと進出する。
街には手を取り合うカップルや家族達。それはもう幸せの笑みでいっぱいである。
その男は何故にお台場へと足を運んだのか?
それは千と千尋の神隠しグッズをゲットするためである。
話は一週間ほど前にさかのぼる。
男はある方から「お台場の小香港という所にそこでしか手に入らない千尋グッズがある」という情報を入手。
その男は大のジブリ好きで、ジブリのためならたとえ火の中水の中を地でいってしまうような男だ。
無論その情報を聞いた彼は例外に漏れることなく12月23日にその場へと向かうこととなる。
お台場付近に着くとそこはもうちょっとしたパニック状態。渋滞はもちろんのこと、お前らは何をしにココへ来て居るんだ?と言いたくなるほどの人の山。一緒にいった友人の言葉を借りるのであればまさしく「佃煮に出来そうなくらい」の人の数である。
団塊の世代が生んだ愛の結晶(So Let's Get Trues参照)はこれほどまでに膨れ上がったかと実感できるほどであった。

さて、そんなことにも目にくれず、多少迷いそうになりながらも無事「台場小香港」なる場所へたどり着く。
その男には香港というところがどういう場所なのかはさっぱりワカランが、それなりに香港の雰囲気を感じながら練り歩く。
しばらく歩いていると刑務所の取調室のような所に3台程のゲーム機がおいてあり、そこには千と千尋の神隠しグッズがあった。そこにあるグッズは普通に流通しているものであったが「これだ!」と確信した男はゲーム機に迷うことなく100円玉をそそぎ込みゲームを開始した。
そのゲームは、まずコインを入れ、欲しい商品を選ぶ(この場合いうまでもなく千尋グッズ)スタートと同時にルーレットが回りだし、ストップボタンを押し、ルーレットが止まった所の数だけ商品の乗っている台の傾斜が傾いていくという図式である。そして、5段階傾斜を傾けるとめでたく商品ゲットというわけだ。
要するにルーレットには−4〜5までの数字が書いてあり、5が出ればその瞬間商品ゲット。その他の数字の場合は2が出れば2段階傾斜が傾き、−3が出れば3つ分傾斜が元に戻ってしまうというわけである。
意気揚々とはじめたゲーム。最初はかなり気合いを入れてボタンをプッシュしていた。そのうち1000円2000円3000円と金を使うにつれ、そのゲームに対する思いは次第に薄くなり、ゲーム性というものは姿を消していった。
もはや連打である。そこには現代日本を象徴するかのような完全分業制ができあがっていた。
友人はボタンを連打するだけ。ゲームオーバーになる頃を見計らって男が100円玉をインサートする。まるで息の合った夫婦の餅つきの様な絵柄。そうして使った額は5000円。

成果はというと「無」である。
阿呆ですね。それも極上の、生粋の。

「悔しい」とか「怒り」とかそんな感情は通り過ぎていきました。
そこに残るのはただ虚しさだけです。

男とその友人は平然を装いながらも隠しきれない虚無感を漂わせながらゲーム機を後にした。
その時に男の頭の奥のそのまた奥でマッチ(近藤正彦)が声高らかに歌っていましたよ。


「お〜ろ〜か〜も〜のぉよ〜」って。(マッチ全盛期を知らないお子さまはお母さんに聞いて下さい。)

このぼやきの冒頭の部分で街ゆく人に向けて「お前らは何をしにココへ来て居るんだ?」という疑問を抱いたと書きましたが、まさしく彼は自分自身にそれを問い正したい衝動に駆られました。
普通に市販されているもの(因みにそこにあった商品はパズルにトランプに小さなぬいぐるみ2個。合計にして恐らく4000円相当のものでしょうか)に大金をつぎ込んでしまった自己嫌悪。パチンコや麻雀など一切やらない男はいつもギャンブル好きの友人に「無駄」だとさとしていたのが、まさか自分の身に降りかかるとは思いもしなかった。

更に追い打ちをかけたのが、後日情報提供してくれた方に確認したところ「オリジナルグッズがおいてあるのはそこではなく他の場所」だということが判明。
まさしく「無駄」だったのである。徳川埋蔵金を巨額の制作費と人件費をかけて結局何も見つからなかったというテレビ番組よりも無駄なような気がしてきて、男は鈍器で後頭部を強打されたような感覚に陥る。
男は「後悔先に立たず」ということわざが嫌いである。何故なら後悔という字は「後」に「悔やむ」と書くので先に立つわけがないだろこのバカチンがと思っていたからだ。
しかしこの時ばかりはその言葉が頭の中を駆けめぐる。「何故1000円位の損失でやめておかなかった。」とか「何故帰る前に店内全体を散策しなかったんだ」とか、今更どうにもならないことを女々しくも考えていた。

しかしココまで来たら決して負けたままで終わらせるわけにはいかない。
まだ見ぬ宝を前にして退くわけにはいかないのだ。情報提供者にも「5000円あればおいしい物が食べれらるのに」と考えてみればごもっともなことを言われたが、着眼点はそこではない。これは戦である。男とゲーム機との間に勃発した男と男の闘いなのだ。
たとえ後ろ指を指されようとも、あいつはバカだと言われようとも、男には決して譲ることの出来ない「誇り」というものがある。

その誇りを失わないためにもいつの日かリベンジを果たしてやろうと固く決意した男であった。





12/10
先日下北沢でお芝居を見てきました。
サモアリナンズという劇団の「スネーク・ザ・バンデット」というお芝居です。
いや〜面白かったですよ。時間にして2時間50分くらいだったはずですが(予定は2時間30分らしい)それを感じさせない面白さでしたね。

いや〜面白かった・・・確かに面白かった・・・今でも思い出し笑いするくらい面白かった・・・でもさぁ・・・でもね・・・


あんたは笑いすぎっしょ!!

僕の前の席に座っていた方へ告ぐ。

笑いすぎ!無理に笑いすぎ!っていうよりうるさい!!セリフ聞こえない!!シリアスなシーンになっているのに余韻にひたって大爆笑するな!!

前にも同じ事書きましたよね。(2000/5/24ぼやき参照)
そんなもんじゃなかったですよ。そりゃぁもうビックリ仰天するくらいの方でしたよ。
因みにそのサモアリナンズのお芝居って結構お客さんをいじることがあるんですよ。
自分をいじってもらいたいのか何なのか全力で笑うんですよね。そうすると役者さんがその方をいじるでしょう?例えば面白いことをやって(ちょっと間抜けなこととか)その方が笑うわけですよね。それも爆音で。そうすると役者さんがアドリブで「そりゃ笑われるわ」といった感じでお客さんも巻き込んでのお芝居をするんです。(もちろん他のいじり方もありますが)
そうなるとどんどんヒートアップしちゃうんですよ、あの方は。そのうち会場全体がその方の笑い声に反応するようになって、その方が大声で笑うとそれに対して会場が笑うんですよ。そうなるとお芝居にも笑い待ちというものがあるらしくて、進行が少し遅れるんです。
まぁそれくらいなら会場全体がいい雰囲気で、役者さんの方もうけているということでいいんでしょうが、その方の真後ろに座っているこっちはたまりません。
セリフが聞こえんっちゅう話ですよ。

そのうち笑いすぎて「ブヒッブヒッ」って鼻ならすんですよ。

ホンットに勘弁して下さい。

僕と一緒に見に行った友達なんかは、その方が笑ってセリフが聞こえなくなるたびにため息です。

以前のぼやきには「ドリフのサクラのおばちゃんにも劣らない」と書きましたがそんなもんじゃないですね。ドリフのおばちゃんの遺伝子から笑いの遺伝子だけを抽出して、それを10人分注入したくらいのパワーがありました。
面白いのは分かるよ。でもさぁ、部屋で一人で見てるんじゃないんだから少しくらいは周囲の迷惑ってもんを考えてもいいんじゃなかろうかね?


にしてもお芝居は面白かったです。
興味のある方は是非行ってみてください。
因みにその劇団のHPはこちら





12/1
インターネットの普及率。それは世間が騒いでいるほど浸透しているわけではない。
何せインターネットの主の目的は情報を共有するということだ。最近は人とのふれあいを得ることもできるが、そもそもは「情報の宝庫」これこそがインターネットではないだろうか?
情報を欲しがっていない人間にとっては無意味と言っても過言ではないだろう。
この「熱風」も、来て下さる方々と僕が「ジブリ」という共通したキーワードを持ち合わせ、私の発信する情報と皆様の発信する情報とを共有する場所である。
ジブリに何の興味もない方がこのページを見ても恐らくそれほどの面白味もないし、おそらくこれから先訪れることはないだろう。(本当はそういう方にもジブリの良さを分かってもらうために作ったHPですが・・・)
要するにインターネットは必要だと思う人間が必要なときに利用するモノで、インターネットを利用したからといって必ずしも便利になるとは限らない。
情報媒体としてはテレビやラジオ、雑誌や新聞など色々とあるが、まだその中の輪に入った程度のモノであろう。

さて、何故僕がこんな事をいちいち力説しているのかというと、先日ラジオを聴いていたところビックリするような発言がなされていたからである。
といっても僕にとっては「いいのか!?」といった感じですが、インターネットに興味もない方の場合は気にもとめないと思いますが。

そのラジオ番組では古くからある商店街がHPを作ったということで、その商店街の方に来ていただいて、商店街とHPの紹介をしているモノであった。
商店街の方は語る「いや〜半年ほど前から作り始めたのですが、最近出来まして公開しました。」と意気揚々と語る。
声の質からいくと50才半ばと言ったところであろうか。遂に私もIT社会の仲間入りだと声も高らかです。
さていよいよアドレスを教えることになりました。僕は自分でサイトを運営していることもあり、他人の作るHPには興味がある。デザイン制や操作性などに優れているHPなどを色々と参考にしたりもする。だからもし暇があったら見てみようかなと聞き耳を立てた。
おじさんは間違えないように、またリスナーが聞き取りやすいようにゆっくりとハッキリと喋り出しました。

「エイチ・テー・テー・ピー・ドット・ドット・スラッシュ・スラッシュ・ダブリュー・ダブリュー・ダブリュー・・・<名誉のため中略>・・・ドット・コム」

一瞬そのままスルーしそうになったが、何かが妙に引っかかっていた。おじさんが復唱したときには更に注意深く聞き耳を立てた。


「エイチ・テー・テー・ピー・ドットドット・スラッシュ・スラッシュ・ダブリュー・ダブリュー・ダブリュー・・・<名誉のため中略>・・・ドット・コム」


「!!」
「おじさん!!それ間違ってる!!」しかも公共の全国ネットの電波利用して間違ってます!!
しかし、そこは僕もイタリア紳士の様な寛大な心を持っているのでいちいち大袈裟に取り乱したりはしません。
問題はその後ですよね。
僕はてっきり取材している方や、パーソナリティの方が訂正してくれるものだとばかり思っていました。

でもね、インタビュアーのお姉さんが言ったんですよ。
「それじゃもう一度言いますね。エイチ・ティ・ティ・ピー・ドットドット・スラッシュ・スラッシュ・ダブリュー・ダブリュー・ダブリュー・・・<名誉のため中略>・・・ドット・コムです。」

お姉さん!!あんたまで間違えてどうする!!あなたはラジオという情報媒体の中でも有数のシェアを誇る業界に身を投じているのではないのか!?それは「ドット・ドット」ではない!「コロン」だ!!!というよりそこに居る誰もが気づかないのか!?
音声さん、彼らの声が一番良く聞こえているのはあなたのはずだ。ディレクターさん、現場をとりまとめ番組を良きものにするんじゃないのか?
スタジオのパーソナリティの方、違和感を憶えなかったか!?
なぜこの放送を聞いているスタッフの誰一人として気が付かないのだ!!

ということにショックをうけたのです。
ITとはいっているものの「インフォメーション・テクノロジー」では無く、これでは「いつまで経っても・とんちんかん」って感じでした。
僕が思っていたほどインターネットは普及していなかったのですね。よくよく考えてみれば僕と同じくらいインターネットをやっている人って片手で足りるくらいしかいない。
僕は自分でサイトを運営しているのにも関わらず「インターネットなんてあってもなくても一緒だよ。よほどの趣味がない限り活用する場はない」と思っている人間なので、自分が最先端だとかっていうことは微塵も思っていないが、それでもまだまだブラウン管と紙にはほど遠いなと感じました。