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今日のぼやき2001年3月









3/30
今日は僕の友人の話をさせていただきたいと思います。
彼はこの「今日のぼやき」にもよく登場する男で、なんと表現していいのか分からないですが、簡潔明瞭に説明すると「阿呆」です。
よく彼はいわゆる「大人買い」をします。
ファミコンのソフトから始まり、ビックリマンやペプシなど「あなた馬鹿でしょ?」と反射的に言ってしまうような行為が好きらしいです。

そんな彼から先日一本の電話が入りました。
僕は携帯電話のディスプレイで彼の名前を確認し、電話に出る。
彼は「長野に行こう」という。
僕は千葉県に住んでいる。長野といえばそれはもう旅行の域に達するのだ。
それが東京へ行こうとかいう話なら別に気にもとめずにOKを出すが、さすがに長野になると「何しに行くのか?」が気になるのだ。
そこで僕が「何しに行くの?」と聞くと彼は即答で答えた。

「ワインを買いに行く」

「?」である。ワイン?ワインなんぞそこらにいくらでもころがっとるのに、何故に長野までいかにゃならんのだ。
彼は間髪入れずに言った。

「長野に美味いワインがあるんだ」

「そりゃそうだろう・・・たいして美味くもないワインをわざわざ片道何百キロかけて買いに行くくらいなら、家でワイドショーでもみながら煎餅バリバリかじってる方がよっぽど有意義だ」と喉まででかかった言葉を呑み込んで
「あ、そう」と答える。

しかし、いくら美味いワインだからと言って長野まで買いに行く彼の思考が僕にはビタイチ理解できない。
確かにそのワインはとろけるようなうまさなのかも知れないが、どうなんだろう。
彼はこれと言ってバスローブに身を包みフカフカのソファーでペルシャネコを撫でながらワインを飲むようなお決まりのワイン通でもないし、月給百万を越えるブルジョアでもない。長野まで行って帰ってくるだけの高速代とガソリン代も馬鹿にならない。
それにあとから聞いた話によるとそのワインを
「ダースで買った」と言うではないか。

ここまで来るといよいよ持って手の施しようのない阿呆だ。
しかし、彼の勢いはとどまることを知らない。

「いや、マジで美味いんだってこのワイン」を連発する。それはもう宗教の勧誘でもしてるのかと錯覚を起こしてしまうほどだ。
だんだんと僕も彼に洗脳されてきて、最終的には「行こう」という話になってしまうのだ。
1本2000円のワインをはるばる千葉から長野まで買いに行く。この思考が何処から湧いて出てくるのか分からないが、彼はこういう無謀且つ無駄な行為が大好きなのだ。


PS.恐らくいつかこのぼやきを見るだろうから先に謝っておきます。阿呆阿呆と連発してすみません。でもね、君はやっぱり極上の阿呆です。





3/18
今日久しぶりにファミコンのソフトを購入した。
そのソフトの名は「スパイ&スパイ」と「スパイ&スパイ 南国指令」である。
このソフトはご存じの方は生つばモノのソフトらしい。
ちなみに僕もこのソフトのことは名前を知っているという程度のもので、僕の友人が長年探していると言うことでその存在を何とか頭の片隅に入れておくことが出来たモノである。
さて、何故僕にとってそれほど価値の高いモノでもないのにそれを購入したかというと、まず第一に一緒にいた友人(長年探し求めている友人とは別)が強く勧めたからである。
その友人の営業トークに僕はまんまと乗せられたのだ。
何よりも「対戦プレイが熱い!!」というキーワードは僕にとってそれ以外に何者もいらないほどの言葉であった。

良く語ることだが、そもそもファミコンソフトの購入というのは70%が「懐かしさ」で終わってしまう。
これは絶対面白い!!と思って買ったものでも一日プレイすると飽きてしまう。
その中において比較的ベンチ入りする確率が高いのが「2人同時プレイ可能」なゲームなのだ。
僕にとって何の知識もないこの「スパイ&スパイ」。買うか買わないかの判断は友人の経験談によるものに委ねるほかないのだ。そこで「対戦プレイが熱い!!」と来れば即買いなのである。

さて、肝心の内容なのだが、友人の言っていたとおり「対戦プレイが熱い!!」
2人同時プレイの場合は、2人が違う場所からスタートして、一つの宝物を探すといういたって単純なゲームなのだが、いかにして相手に宝をとらせないようにと試行錯誤しながら姑息な罠などをはったりして、相手の邪魔をしながらも宝を探すというモノだ。
ここで僕の支離滅裂で文法力ゼロで表現力がまるでない文章を読んでもあの面白さは伝わらないだろうが、とにかくはまるのだ。
プレイしていると相手が徐々にむかついてくる

これが対戦プレイにおいてもっとも大事な要素と言っても良いだろう。

最終的にはちょっとした喧嘩になるくらいでもいいのだ。

プレイしているうちにそれはもうゲームの域を越えるのである。お互いのプライドと名誉をかけた勝負と化すのだ。
その時ばかりは「卑怯」という言葉さえも賛美に聞こえるほどだ。
相手をいかにしてねじ伏せ、ぐぅの音も出ないほどに叩きつぶさねばならない。相手が怒ってリセットボタン(ゲームを強制的に終了する事のできる自爆スイッチ)を押そうモノなら最高の優越感にひたり、相手を完全に見下し、鼻で失笑する。それが対戦プレイなのだ。

そして「スパイ&スパイ」は見事にこのボーダーラインをクリアした。
そして何よりも「ファミコン」という今に至ってはすっかり過去の産物と化し、そのプレイ性・音源・内容等が今の家庭用ゲームには遙か及ばず、陳腐なモノに成り下がってしまったクオリティーの低さがさらに面白さを倍増させるのだ。
何よりも単純明快なので、相手を叩きのめすために
自分の脳細胞を極限まで活性化させなければならないのだ

こういう陳腐なゲームを深夜に「キャッキャ」いいながらプレイしている僕と友人。そんな僕らがたまらなく好き





3/14
「ギャグ」これは時と場合によって七変化する生き物である。(ニーチェ談)←やや嘘を含

今日夕飯を買いに弁当屋へ立ち寄った。僕は自炊などという器用な事は出来ず、食事と言えば外食か弁当、カップラーメン、そしてごくごく希に車で数分の実家へ帰りよく言えば即席、悪く言えばやっつけ家庭料理といったところ。
最近僕の家にある炊飯器の存在価値はほとんどゼロに近く、ガスコンロにいたっては湯沸かし器と化し、包丁はちょっと大きめのペーパーナイフとして第2の人生を歩みだしている。
これじゃイカンと分かっていながらもめんどくさい大王と疲れた女王の支配下にある。
さて、そんなこんなで弁当屋さんに入り、注文をする。
弁当を作っている間、備え付けの椅子に座り、さすらいのピーススーパーライトに火をつける。
しばらくすると中年のおじさんが店に入ってきた。
店員さんはすかさずマニュアル通りの応対その一を発動させる。

「いらっしゃいませぇ〜」

するとおじさんは待っていましたと言わんばかりにこう切り返す。

「いらっしゃいましたぁ〜」

店内は凍り付く。もはやこの一言は面白いとか面白くないとかで推し量れる問題ではない。
店内にいる誰もが、誰とも眼を会わそうとはせず、無関心を決め込む。
しかし明らかに店内には「あのおじさんやっちゃったぁ〜・・・」という空気が充満している。
店員さんも「ププッ」ってくらいでも笑ってあげればイイものを100%全開で無視といった感じ。
おじさんもどうして良いのか分からない様子。見ているこっちまでも照れてきてしまう。
こっちが照れるくらいなのだからおじさんはもうテレテレだろう。
そのうえおじさんが「じゃぁうな重」というと店員さんは「終わりました」(期間限定らしい)と即答。コミュニケーションもクソもあったもんじゃない。
おじさんにしてみれば、まさに泣きっ面に蜂。
いや、泣きっ面にマイクタイソンの右ストレート(助走付)と言ったところだろう。
おじさんは注文を無事すませたあとも照れ隠しのように壁に掛けてあるメニューを見ながら、ああでもないこうでもないとつぶやいていた。
何か落ち目のコメディアンを見ているような、そんな哀愁が背中からにじみ出ていた。
皆さんもギャグを言う時は、場所・タイミング・相手をよく考えないと取り返しのつかない事になる恐れがあるのでくれぐれも気をつけて下さい。





3/9
先日新潟県へスノーボードという、一枚の板に両足をくくりつけて雪山を滑降するという何とも危険なウィンタースポーツをしに行きました。
僕はこのスノーボードをやり始めて5回目くらいで、まぁ人並みに、そこそこは、何となく形に位は滑れるようになり、始めた頃のようにお尻からドスンドスンと尻餅ついて、臀部を巨人の松井にフルスイングでケツバットされるような痛みもなくなってきて、そこそこは楽しめるようになりました。
そうなるとまた悪い虫が疼き始めます。
タイガーマスクになって滑りたい<参考写真>という衝動だ。
何故このような衝動に駆られるのかはいまだに原因不明であり、早急に解決しなければならない問題でもある。

しかし、被りたいモノは被りたいのであって、正直独りよがりの自己満足の様なモノなので、結局変身してしまうのである。

さて、ただ「雪山でタイガーマスクを被ってスノーボードしました。」ってだけの内容ならわざわざぼやきに書いたりはしません。今日このぼやきに紹介させていただくのは、今後の僕のタイガーマスク人生にピリオドを打つか打たないかを考えさせるほどの事件が起きたからなのである。

僕はリフトに乗り込むとサッとマスクを取り出し、装着する。もう気分はタイガーマスクだ。というよりむしろタイガーマスクです。
ここからはスノーボードを楽しみに来た一人の若者ではなく、華麗な技で相手を叩き伏せ観客を魅了するスーパースターなのである。常に周りの人間の眼を意識し、醜態などをさらしてはいけないのだ。
リフトから降りるときも細心の注意を払う。リフトから降りたあとも、人からどんな冷たい視線を浴びせられようとも、コソコソ話をされようとも決して動揺してはいけない。同様どころかそれを快感と感じるようになるのだ。しかし悲しいかな、ゲレンデを滑っているときは90%の人が気付きません。自分の滑りに夢中になっているせいか、だれも振り向きもしなければ見向きもしないのです。それはそれでなかなか悲しいモノです。
しかし、下まで降りていって、リフトなどに並んでいるときは皆さん気付いてくれるのです。
その時です!まさにリフトに乗り込もうとしたその瞬間!思わぬ言葉が僕の耳に突き刺さったのです。

「あっ。タイガーマスクだ・・・あれで上手きゃね・・・(やや失笑気味に)

もう目の前真っ暗。顔を両手で隠してそのままどこかへ走り去りたかったです。
「それは・・・それは言わない約束じゃないかぁ!!!たいして面白くないのに座布団やるなとか、あの野球解説者カツラじゃない?とか、年度末になるとやたらと道路工事が多くない?みたいな、だれでも分かってるけどそれは言っちゃいけない暗黙の了解じゃぁないかぁ!!!」
と心の中で大絶叫していました。
早く来い!リフトよ早く来いと願いながら待っていた時間は数分のはずなのに、僕には何時間にも感じられました。
これがトラウマになってもうマスクを被ることが出来ないかも知れない。
全国5人くらいの偽タイガーマスクファンの皆さん。引退するかも知れません。体力の限界、いや、精神の限界がやってこようとしています。もう疲れました。しばらく・・・しばらく休ませて下さい。

とは言ってもまた懲りずに被るはず。3日経ったら忘れてしまうようなバカだから・・・





3/4
先日ある中古CD屋さんに立ち寄り、何を買おうというわけでもないがぶらぶらしながらCDを物色していた。
宮崎駿の雑想ノートのCDでもあればもうけんもんだな、くらいの気持ちでした。
入って適当に歩き回ってから、アニメコーナーへ向かう。
アニメコーナーには沢山のCDが陳列されていて、この中から雑想ノートのCDを探すのはなかなか骨が折れる。しかし最近はご丁寧に「スタジオジブリコーナー」とか「宮崎アニメコーナー」なんてものが用意されていることがある。その店も「宮崎アニメコーナー」があり、僕はそのコーナーをみて、お目当てのモノがなかったのでアニメコーナーをあとにして、歩き出した。
アニメコーナーの隣は、洋楽のインディーズのコーナーがあり、基本的に洋楽は聞かない上に、インディーズにはなんの興味もない僕だったが何気なく、意味もなく、洋楽インディーズコーナーを物色した。
すると、そこで恐るべきモノを眼にしたのである。

その場所には存在するはずのない、いや、存在すべきではないCDがこれ見よがしに鎮座していたのだ。そのタイトルは・・・

「谷村新司HISTORY」である。

驚きだ、それはもう驚きだ。
何が驚きかって、谷村新司が全米へ向けてCDを発売しているということにも驚きだが、何よりもそれが自主制作ということ。
僕は想像した。谷村新司が全米デビューしている姿を。
アメリカのコンサート会場で、谷村新司は「チャンピョン」を熱唱。アメリカ人はそれを聞きながら拳を振り上げ、クルクルパーマの髪の毛を振り乱す。そして谷村新司はニヒルな笑顔を浮かべて、アメリカ人それに陶酔。

今メジャーリーグでは日本人プレイヤーがちょっとしたブームになっているが、これからはきっと懐メロがアメリカを席巻するだろう。
それはもう「神田川」や「シクラメンのかほり」などがアメリカではミリオンセラーとなり、それらの歌手達はビバリーヒルズに豪邸をおっ建てて優雅に暮らす。そんな日はきっとそこまで来ているはず・・・


注)恐らく谷村新司のCDが置いてあったのは何かの間違いだと予想されます。