6/27
僕の一日は朝一のビックル(乳製品飲料?ヤクルトみたいなもの)から始まる。 今日も家を出ていつもの自動販売機の前に立ち、財布から颯爽と小銭を出すとそれを投入。赤く光ったボタンを人差し指で押す。 「ガタン」といつものようにビックルは落ちてくる。しかし、今日のビックルはいつもと違っていた。 取り出し口を開けるとそこには2つのビックルがいた。 僕は1本分の金額しか投入していないのに2本出てきたことに少し戸惑った。 「あれ?何で2本?イイの貰っちゃって?」この間およそ2秒。僕は有り難くその2本のビックルを頂くことにした。 車に乗ると早速1本目のビックルを空け、乾ききった寝起きの喉にビックルを豪快に流し込む。朝一のビックルは風呂上がりのビールに勝るとも劣らないうまさである。 滑らかなのどごしのビックルが空きっ腹に染みわたる。 「プハァーッ・・・」と息を吐いて、もう一口流し込む。 いつもは少しずつ大事に飲むのだが何せ今日は一本余分に頂いたこともあり贅沢に頂く。 そのうち1本目のビックルを飲み終わり2本目に手をかける。 フタを開け瓶を口に近づけた瞬間、いつもと違う感覚が走った。 僕はそのいつもと違う感覚をかき消すようにビックルを流し込んだ。 「?」 それほど美味しくない・・・なぜだ?いつも頂いているビックルの味ではない。 むしろもうごちそうさま状態である。僕は考えた。 何故美味しくないのか。痛んでいるのか?イヤ違う、味はいつものビックルと変わらない。しかし何故美味しくないのだろうか? 勘の良い方はおわかりだろう。 ビックルやヤクルトといった感じの飲み物は 一度に大量に服用すると飽きてしまうのである。 何かものすごく悔しくなった。 せっかく1本余分に頂いて得した気分に浸っていたのに、その気分をぶちこわされたのである。 こんな事になるのならフタを開けなければよかった。ものすごく後悔の念にかられる。
「バカッバカッ!」といって自分を責める。 しかしフタを開けてしまったビックルはもうどうにもならない。 このまま残すのはビックルに対して申し訳が立たない。 気合いで一気のみさせていただきました。
|
|